事例2「自分の子どもに会社を継がせたいが、どのような準備が必要か。」
会社を継がせる場合には、①どのように株式を渡すか、②ノウハウや取引先をどのように引き継ぐかという問題が発生します。
特に、どのように株式を渡すか、については大きな問題です。
一定の規模の中小企業については、株式の価値が数億円程度になることがあります。
当事務所が相談を受けたY社においても、株式の価値が数億円程度はありました。
他方で、単純に遺言書などで一人の後継者(子)に全ての株式を渡すと「遺留分を侵害した」(相続人は相続財産の一定割合を取得できる遺留分という権利があります。)として他の相続人(子)が多額の金銭の支払いを求めてくる可能性が高い状況でした。
加えて、相続に伴い、多額の相続税が発生しえる状況でした。
当事務所は過去の様々な経験をもとに、あらかじめ、相続人予定者と交渉し、一定の条件を示して将来的に遺留分を放棄してもらう手続を実行し、遺留分が発生しないスキームを実現させました。
その上で、税理士と共同して事業承継税制を活用し、株式についての納税が猶予(実質的に免除)されるスキームを実現しました。
その結果、遺留分と納税額のみでも数千万程度を減額するという利益を発生させることができました。
以上のとおり「事前に準備・対策すること」によりY社にとって有利な結論を導くことができました。